離婚するときには、財産分与に関する知識が必須です。
離婚時にきちんと取り決めておかないと、受け取れるはずのお金を受け取れず損をしてしまう可能性があります。
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財産分与の対象となる財産の種類
財産分与の対象になるのは、「夫婦が婚姻中に共同で形成した財産」です。
具体的には以下のようなものが対象となります。
- 現金、預貯金、電子マネー
- 株式、債券、仮想通貨
- 解約返戻金のある保険(生命保険、火災保険、学資保険など)
- 車
- 不動産
- 社内積立など各種積立金
- 退職金
- 貴金属、時計などの動産類
適正に財産分与を行うためには、相手と話し合う前にしっかり財産調査を行い、すべての対象資産を開示しあう必要があります。
財産分与の基準時
財産分与を検討するとき「基準時」が非常に重要なポイントとなります。
基準時とは「いつの時点の財産を基準に財産分与するか」というタイミングです。
たとえば基準時以降に相手に相手名義の預金を引き出されても、、基準時に存在した財産をもとに分与するので、取り分を減らされることはありません。
財産分与の基準時は、別居時、離婚時、当事者が合意で定めたとき等、様々あり、個々の事案により異なります。ご自身の場合、どのように進めればいいのか分からない、という方は、是非弊所の弁護士へご相談ください。
財産分与対象財産の証拠収集方法
適正に財産分与を行うには、財産分与対象資産をもれなく開示させなければなりません。
しかし財産を隠す人もあり、こちらが調査しなければならない状況となる事例も多々あります。
自分で調べる方法
自分で調べる場合、自宅内にある預貯金通帳や契約書等の財産の資料を探しましょう。相手の給与明細書から社内積み立てや持株生命保険などの情報が分かる場合があります。確認しましょう。
弁護士法23条照会を活用する
自分で調べられない相手名義の保険や株式などの情報については、弁護士に依頼して弁護士法23条照会を行うと明らかにできるケースがあります。
職権調査嘱託を申し立てる
23条照会でも回答を得られなかった場合、調停や訴訟を起こして裁判所から職権調査嘱託をしてもらうと、資料を入手できる可能性があります。
清算的財産分与と扶養的財産分与
夫婦共有財産を2分の1の割合で清算する財産分与を「清算的財産分与」といいます。一般的に、財産分与と言えば、清算的財産分与を指すことが多いです。
財産分与には清算的財産分与以外に「扶養的財産分与」もあります。
これは、離婚後に一方配偶者が生活に困窮すると予想されるケースにおいて、離婚後の生活を考慮してされる財産分与の方法です。
相手から離婚を求められており、離婚後の経済不安がある場合には、清算的財産分与だけでなく、扶養的財産分与の合意ができる場合があります。
財産分与についてわからないことがありましたら、お気軽に弁護士までご相談ください。